毛の増減に関係なく抜け毛は増減するもの
今号の問題提起!
生えている毛の本数が多いほど抜け毛は多く、生えている毛が少ないほど抜け毛も少ない。毛が増える際には抜け毛が増えることが多い。
以上が私が相談室で見た抜け毛に関する事実現実です
- 薄毛の進行している人の方が抜け毛は少ない:こういう人のほど毛が増えるのに時間がかかる
- 薄毛でも毛の多い人ほど抜け毛は多い:こういう人のほど毛が増えるのは早い
抜け毛ほど「一般的に言われていることと事実・現実とは違うなぁ」と思うことはありません。多くの人は(まずほとんどの人でしょうね)、抜け毛=毛が抜けることが薄毛の原因だと思っています。
抜け毛が増えるのが薄毛の原因ではない
「抜け毛が無くなって、毛だけが生えてくれば良いのに」とか「シャンプーを替えたら、抜け毛が増えて薄くなってしまった」とか。
私もず~と昔は、抜け毛が増えるから薄くなるのだと思っていました。
薄い人は抜け毛が次第に減っていく
ところが、現実に薄毛のご相談を受けていますと、抜け毛が異常に多くなっていて薄くなっている人はいないのです。
確かに、現実に「抜け毛が増えてきて薄くなった」と訴える人はいます。それは事実なんですが、現実には薄毛が進行しいくと次第に抜け毛が減っていき、頭皮の表面に生えている毛の本数が減っていくのです。
抜け毛の本数はあまり関係ない
時折、「シャンプー時に70本以上抜けている」と訴える人もいらっしゃいますが、相談室で洗ってみても、そんなに抜けません。
中には、シャンプー時の抜け毛を集めて、1本1本数えて、70本以上あったと言う人もいます。
でも1日だけしか数えていないので、それが正しいのかは分かりません。2日に1回洗髪して70本以上抜けているなんて言うのは論外です。
って言うか、そんなに気にしているから抜けるとも言えますね。
抜けるから悪いと思っているから抜け毛が気になる
そして、「多い多い」と訴えるのは、女性が圧倒的です。女性は毛が長いので「ちょっと抜け毛が増えるだけで多い」と感じるのです。
「抜け毛が多くなった。多くなった」と言う人に、「それでは抜け毛が多くなったと感じる以前は、どの程度の抜け毛だったのですか」とお聞きすると、多くの場合、「覚えていません」とか「全く目立たなかった」とおっしゃいます。
ここからは、私の推測です。
「毛が抜ける=薄毛になる」と思い込んでいるので、薄くなった時に抜け毛が気になってしまい、抜け毛が増えたと思っているのではないか?と言うこと。
生え替わっていないから抜ければ薄くなる
だって、30本や50本程度抜けるだけで薄くなるなら、それだけ表面に出ている毛の本数を維持出来なくなっていると言うことですよね?成長期が短くなった毛が増えているのでは?
そのことの方が問題じゃないのですか?
通常の毛の総量と毛の成長期から考えると、シャンプー時に30本や50本の抜け毛があるのは、当たり前だからです。
毛の量の多い人は抜け毛の本数が常に多い
そして、本当に抜け毛が多くて(常に50本以上抜けている人)に、「薄くなる以前の抜け毛ってどの程度あったか」を聞いてみると、「いや~。けっこうたくさん抜けていたけど、薄くなっていたわけではないので、気にならなかったんですよ。」と言う答えが返ってきます。
抜け毛の多い人は回復スピードが早い
そして、このような抜け毛の多い人に限って、ケアをし始めても回復するスピードが早いのです。
本当にびっくりするくらいのスピードで回復する人もいますし、「ここは無理だろう?」と思われる部位が回復してくる場合だってあります。
抜け毛が目立たなかった人は回復スピードが遅い
ところが、抜け毛が増えたと感じる前の抜け毛について、「覚えていない」とか「ほとんど目立たなかった」とおっしゃる人の場合は、思った以上に回復するスピードが遅いです。
このような人に限って、頭皮が正常に戻り、毛が増えてくる可能性が出てくると、抜ける毛の本数が正常に戻っていくので、抜け毛が増える場があるのです。
要は、増える季節や増える要因・環境になれば増えるし、減る季節や減る要因・環境になれば減るのです。
毛の生え変わるサイクルが正常に戻る
抜け毛が少なくなっている人は、中々毛が増えたと実感できるところまでは行きません。たぶん、残っている毛のレベルが低く成長期が短くなくなっているから、通常のレベルにまで戻るのに時間がかかるからだろうと思います。
このように、現実には抜け毛の多い少ないは、薄毛とはほとんど関係がないだけでなく、
- もともと抜け毛の多かった人は、回復も早く
- もともと抜け毛の少なかった人は、回復が遅いのです。
抜け毛の事実・現実と頭だけで考えるとの違い
頭だけ考えると、以下のように思います。
- 毛の成長期が短くなると抜け毛が増えて薄くなり
- 毛の成長期が伸びると抜け毛が減って毛が増える
育毛剤なんかの広告では、以上のようなことを論じていますよね。
でも、抜け毛の事実・現実を見てみると正反対で、以下のようになっています。
- 毛の成長期が短くなると表面に出ている本数が減るから抜け毛が次第に減っていく
- 毛の成長期が伸びるようになると表面に出ている本数が増えるから抜け毛が次第に増えてくる
毛の増減と関係なく抜け毛は増減する
間違って欲しくないのは、「抜け毛が増えれば毛が増えるのだ」とは言っていないこと。言いたいのは以下の4つです。
- 毛が増える時には、抜け毛が増えたり減ったりする
- 毛が減る時にも、抜け毛は増えたり減ったりする
- 抜け毛の多い人や場合の方が改善は早い。(傾向がある)
- 抜け毛の少ない薄毛は改善には時間がかかる。(傾向がある)
抜け毛についての詳細は、以下の2つをご参照下さい。
さて、「あなた」の抜け毛は今どうでしょう?毎日洗髪していて、洗髪時に20本未満しか抜けなくて薄いですか?それとも、フサフサですか?
って言うか、抜け毛と薄毛には直接的な因果関係がないのです。抜けるべき毛がちゃんと抜けて、ちゃんと生え替わるようなケアを行いましょう。
67号は平成19年(2007年)3月22日に配信したメールマガジンです。