皮脂の取り過ぎは薄毛になる!!
今号の問題提起!
前号では「洗い過ぎは危ない!!」と言う内容で書きましたが、今号では洗い過ぎることで【必要な皮脂を取り過ぎることが薄毛の原因の一つになっているのだ】について書くようにします。
皮脂の問題は、ややこしい問題も含まれているので少し長いメールマガジンになりますがご勘弁を。
どうして皮脂は分泌されているのでしょう?
皮脂が分泌されるには理由があります。
- 皮膚を乾燥から守る。皮膚の天然の保湿剤である。
- 細菌・ウイルスの繁殖と進入を防ぐ
- 体の内部から外に向かって老廃物を排泄する(皮膚は排泄器官と言うことでもある)
皮脂は私たちの体を守るのに必要だから分泌されているのです。
にも関わらず
- 「皮脂が毛穴に詰っていて毛が生えてこない」とか
- 「皮脂が多すぎて育毛剤の浸透を妨げている」とか
理由付けて、
- 「皮脂を取らないと毛が育たない」
- 「皮脂を取らないと育毛剤が効かない」
と言うサロンやこう言ったことを何も知らずに書いているホームページ、またメールマガジンがあるのに恐ろしさを覚えます。
毛穴が詰まったら皮脂が無かったらどうなる?
毛穴は排泄器官であり体温調節器官、そして皮脂は乾燥や細菌・ウイルスの繁殖・侵入から体を守っているのです。
- 排泄器官である尿道や肛門が詰ったらどうなりますか?
- 皮膚が常に乾燥していればどうなりますか?
- 皮脂の分泌がないことで毛穴から細菌やウイルスが進入したらどうなりますか?
これらを考えると皮脂が毛穴に詰まるなんてあり得ないのが理解できると思います。頭皮の毛穴は顔の毛穴よりも2倍~3倍大きいですから詰まりようがないとも言えます。
シャンプーをしなくて3日程度で髪が脂っぽくなってくるのは何の問題もありません。
皮脂は必要だから取れば再度分泌される
1日で髪が脂っぽくなったり、夜シャンプーしても朝には毛が脂っぽくなっているなら、「脂分を取り過ぎるシャンプーで」「脂分を取り過ぎるような方法で」皮脂を取り過ぎていることが皮脂の分泌量が多くなっている原因です。
皮脂の分泌の多い少ないは、頭皮の脂っぽさではなく、毛がどう感じるかで見ましょう。
体を守る為に必要としているのが皮脂ですから、取って不足すれば再度分泌されるのが皮脂です。これを毎日繰り返していると常に皮脂が不足するので常に皮脂を分泌せざるを得なくなり、ひどい脂症になっていくのです。
皮脂を取る洗い過ぎとはこんな行為
- 洗髪するのに2分も3分も時間をかけてゴシゴシしていませんか?
- クレンジングを使っていませんか?
- 毛穴の汚れを取るようなパックを使っていませんか?
- 1日朝夕の2回も洗髪していませんか?
男性ホルモンと皮脂の関係
よく男性ホルモンと皮脂の関係が言われます。これはあくまでも別個のことです。
- 「男性ホルモンが多い→皮脂の分泌量が増える」
- 「男性ホルモンが多い→頭周辺では毛を育てる阻害要因が多くなる」
決して「皮脂の分泌が多い=薄毛」ではないのです。皮脂と薄毛には直接的な因果関係は何もないのです。
皮脂を取るケアで効果が出る人がいる
時折皮脂をとるケアをして(例えば1日2回シャンプーして)育毛剤を使うことをして、薄毛が解消したと言う人がいます。
確率的には毛を育てる能力の高い人の場合の可能性がとても高いので、そんな人は薄毛の人の中では少数派です。多数派の普通の薄毛の人の場合毛を育てる能力が低いので、皮脂を取って育毛剤を使うと毛を無くす可能性が高いです。
どうしてそう言えるのか?と言うと、毛を作る能力のある人に有効に働く方法でも、能力の低い人には同じケア法では負担を強いる結果になるからです。
皮脂を取り強い育毛剤を使うと毛根をダメにする
弊社にて毛髪診断を受けた人(現在は受け付けていません)で次のような人がいました。「某発毛サロンで1年程度施術を受けていますが、経済的に苦しいので自宅でできるケア法を教えて欲しい」と言うものでした。
よくあることなので、まずは「毛髪診断」を受けるようにご助言しました。その結果、強い薬剤を使って皮脂を取り除く手当をしていた為に
- 「毛根が変形してしまっているものが数本見られる」
- 「毛根から伸びている毛の色が変色している」ものでした。
高額な費用を使って、逆に悪くしているのですから悲劇としか言いようがないですね。
皮脂を取るから毛を無くす
- 皮脂と薄毛とには直接的な因果関係はありません。
- 皮脂が過剰になっているのは、ほとんど場合は洗髪のし過ぎ(シャンプーとシャンプー法)が原因です。
- 食事の傾向が脂っぽいものばかりだと皮脂の分泌が増えることはあります。
- 皮脂には毛の生育に必要な成分も含まれているので、これを過剰に取ることで育ってくる毛は細い毛になってきます。
- 現代は食習慣が悪い人が多いので皮脂の質が悪くなっていて、過剰な皮脂の分泌は頭皮に多量に残留することで質の悪い皮脂が酸化して頭皮を弱らせます。これが、難治性の皮膚炎の原因になり、薄毛の原因にもなっています。
皮脂を取っていると頭皮が臭うようになる
頭皮の皮脂を取るようなシャンプー法で洗い過ぎていると、皮膚常在菌のバランスを崩します。結果善玉菌(表皮ブドウ球菌等)が優勢な状態から悪玉菌(黄色ブドウ球菌やアクネ菌等)が優勢な状態になります。
悪玉菌の影響で頭皮が臭うようになり、臭いが気になるからと過剰に洗髪していると、さらに臭いが出るようになっていきます。綺麗にすることで細菌の繁殖しやすい環境を作るし細菌の餌になる成分を過剰に分泌するようになるから。
皮脂を問題にする方がおかしい
上記のことを理解すれば、皮脂を問題にしている情報がおかしいのが分かりますよね。
- 「皮脂で毛穴が詰っていて毛が生えてこない」
- 「皮脂が多すぎて逆流して溜まっていて育毛剤が浸透しない」
- 「皮脂が多すぎて育毛剤の浸透を妨げている」
これらの理論が「いかにおかしい理論か」分ると思います。
3号は平成14年(2002年)6月7日に配信したメールマガジンです。