94号:毛を増やすには、どうすりゃ良い?

東洋医学的捉え方と西洋医学的捉え方の良い所取りで効果的にケアができる。東洋医学的捉え方で頭皮と体の土台を整え、西洋医学的捉え方で効果を出す。 

毛を増やすには土台が必要

今号の問題提起!
毛を増やすには、東洋医学的捉え方で頭皮・心身の環境を整え、西洋医学的に捉え方で効果を高めると効果的。

こう言ったテーマになると、多くの人は西洋医学的な具体的な方法論やテクニックを知りたがると思います。

方法論やテクニックは、基本的な土台があって始めて生きてきますから、土台をどうするのか?と言うのが今号の内容です。

体の基礎が病気を治す

分かりやすい事例に例えてみます。「あなた」が風邪を引いて寝込みました。この時に風邪を治すのにどうするかを考えてみます。

  1. できるだけ食べて体を暖めて、ゆっくり寝て休息をとる
  2. 市販の風邪薬を飲むか、病院に行って注射を打ってもらい薬を貰う

たぶん、多くの人=ほとんどの場合、上記の2つを行うはずです。

どちらか一方だけの場合もあるでしょうが、「1」の場合だけだと、治るには治るけど時間がかかります。

「2」の場合だけだと、治ったような治ってないような中途半端な状態になりますし、下手をするとこじらせてしまうことだってあります。

「1」の場合と「2」の場合とでは、病気に対する捉え方が違うので、風邪に対するアプローチが違います。

体のエコロジーを整える

「東洋医学」の場合は人間を自然の一部と捉えて、生活環境を整えるのと同じように、その人の体のエコロジーを整えることで、結果的に免疫力が向上して自分の体の力で風邪を治すのです。

(人を診ている)これがの東洋医学的考え方=捉え方なのです。

ただし、東洋医学にも日本で発達した漢方医学と中国独自の中医学、インドのアーユルヴィータとありますが、中国の中医学は、西洋医学に近いようですね。

自然と一体化している捉え方なので、漢方薬なんかは自然の植物で作られますし、効果が緩やかなので体にも優しいのです。

体のエコロジーを乱す

「西洋医学」の場合は、人間ではなく病気そのものを見て、その原因となることを潰すことに主眼が置かれます。

どちらかと言うと自然を操ろうとするものなので、劇的な効果が望める半面副作用が強かったり、後遺症的な症状が残ることが多いのです。

体のエコロジーを乱すことになるので、体には負担になるのです。

(薄毛を診ている)これが西洋医学的な考え方=捉え方なのです。

長所と短所

「東洋医学」にも「西洋医学」にも、長所もあれば短所もあります。

「東洋医学」の場合の長所は

  • 体に優しい。
  • オーダーメイドのケアにならざるを得ない。
  • 効果は遅いが、結果的な確実性が高い

「東洋医学」の場合の短所は

  • 結果に繋がるのに時間がかかる
  • 見違えるような効果は期待できない
  • 白黒がはっきりしないので、分かりづらい
  • 胡散(うさん)臭く見られがち。

「西洋医学」の場合の長所は

  • 見違えるような効果が期待できる
  • 短期間で効果に繋がりやすい。
  • 理論がはっきりしているので分かりやすい
  • 原因に対しての対処がはっきりしている「対症療法といわれる所以(ゆえんと読みます)です」

「西洋医学」の場合の短所は

  • 部分的な作用や変化になるので体には負担になることが多く、副作用が出たり、後遺症が残ったりする。
  • 平均的なケアになり、個体差を考慮できない。
  • 効果は早いが、結果的な確実性が低い

「東洋医学」と「西洋医学」では、ちょうど正反対になるのです。

成分でなく、捉え方の話で区分する

これは、あくまでもその症状や病気をどのように捉えるか?と言う捉え方の話なので、漢方薬に使われている成分が使われていても、病気の原因そのものを潰すことを目的にしている限り、体には負担がかかるのだと考えて下さいね。

「植物原料だから優しいのではない」と言うことです。「保存料が入っている、入っていない」とか全く関係ないのです。

東洋医学的捉え方と西洋医学的捉え方の良いとこ取り

ちょっと長くなり過ぎましたが、育毛を考える際にも、この考え方=捉え方の違いを分かった上で、方法を選ぶと案外上手くいくものです。

一番良いのは、それぞれの良いとこ取りをするケアを採る事。

東洋医学的捉え方をケアの土台に置き、西洋医学的捉え方を入れていく

要は、「東洋医学」のような考え方のケアを土台に置いて、「西洋医学」のようなケアを所々で取り入れていくのです。(皆さんが、風邪を引いた時に治す方法です)

西洋医学的に魅力を感じやすい

ところが、効果が早く見違えるような効果に繋がることがあるので、「2」のようなケア法=対症療法は非常に魅力的に映ります。

売ることや情報を提供することを考えると、原因と対処法を明確に訴えやすいので、「2」のようなケア法=対症療法や製品が取り上げられることが多いのです。

だから、現在巷で取り上げられる育毛製品や方法論は、ほとんどが「2」のようなケア法や製品になっています。
例えば

  • 洗って効果的な育毛剤を使う
  • 発毛率80%の育毛剤を使う
  • 5αリアクターゼの還元作用を阻害する
  • 男性ホルモンの影響を阻害する
  • サプリメントを飲む
  • 温冷療法
  • マッサージ法
  • 脱毛遺伝子に働きかける
  • HGHを増幅させる
  • 血管を拡張作用させて血流を促す
  • 等々

どれを見ても非常に魅力的に見えてしまいます。

体のエコロジーを整えないと結果が続かない

が、「東洋医学」のような頭皮や体のエコロジーを整えて、毛を育てる力を回復していないと、効果が出ているのに結果に繋がっていかず、最終的に毛を無くすこともあり得るのですね。

目には見えないし効果面でも地味なものですが、頭皮や体の土台を整えることを優先していれば毛は増えるようになります。

少なくても、ジワリジワリ進行してきたのが、段々と進行しなくなり、何年経っても変わらないようにはなります。

【毛を増やすには、どうすりゃ良い?】の答えは、

頭皮や体の土台を大事にすることです。ご自身の頭皮の力が大事なのです。ここを大事にしていれば、「すわ、やばい!」と感じた時に「西洋医学」のケア法が効果的に作用して結果に繋がります。

今回はちょっと抽象的になってしまいました。が、この考え方や捉え方をちゃんと持っていると、巷の育毛製品や方法論を取捨選択する際の間違いは無くなるだろうと思います。

94号は平成19年(2007年)5月3日に配信されたメールマガジンです。

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