83号:【育毛剤編】育毛剤が効けば・・・毛を無くす効果!かも?

育毛剤の効果で薄毛を治そうとするから頭皮に異常をきたす。育毛剤の役割を考えて効果を生かすことで、はじめて育毛剤として効果を発揮するのです。 

育毛剤の効果で失敗する

今号の問題提起!
育毛剤の効果で薄毛を治すには無理があります。理由は育毛剤は薄毛の原因を解決するものではないからです。

前回は、抜け毛のことを書きました。育毛剤の効果の一つに抜け毛予防はあるが、抜け毛が減ることが毛が増えることではないことも書きました。

育毛剤で抜け毛が減るという錯覚

だが、現実に多くの育毛剤の効果の中に抜け毛予防が入っているので、育毛剤が効くと抜け毛が減って毛が増えると錯覚している人が大多数ですね。

育毛剤は検索キーワードに多い言葉

ホームページやブログの検索される言葉を見ていると、「育毛剤」「効く」「効果」と言う3つが非常に多いことが、それを物語っています。

育毛剤で薄毛が治った人に会ったことがない

ところが、これだけ多くの育毛剤が次から次に発売されているのに、未だかつて育毛剤で薄毛の治った人にお会いしたことがありません。

私は1959年生まれなので、私の周りには結構多くの薄毛の人がいますが、育毛剤で薄毛が治った人を見ないのです。

当然、私がどんな仕事をしているのかを周りの人は知っているので、以下のことはよく聞かれます。

  • 「どうしたら良いの?」とか
  • 「どんな育毛剤が良いの?」とか

ところが、「俺は、この育毛剤で薄毛が治ったから、お前そんな仕事をしているならこの育毛剤を売れよ。」なんて言ってくる人は、だ~れもいません。

育毛剤の効果だけでは難しい

そればかりか、毛を増やしたいが為に育毛剤を使っているのに、使えば使うほど毛を無くしている人たちに出会うことの方が圧倒的に多いです。

男性でも女性でも、育毛剤の効果で治っていない

そのわりには、どの育毛剤も「効く」ことを効能として訴えています。例えば以下のような効能です。

  • ダウングロス効果
  • 発毛率80%
  • 抜けにくくする
  • 血管拡張作用
  • 血行促進
  • 毛球の細胞増殖を促進
  • 発毛促進因子に働きかける
  • 男性ホルモンの阻害
  • DHTの抑制
  • 5アルファリアクターゼ1型2型を阻害
  • 等々です。

魔法ではなく、育毛剤の現実

上記のような効果があれば、毛が増えると錯覚してしまいますね。でも、実際は育毛剤で薄毛の治った人はいない現実があります。

育毛剤に効果はないのか?

では、育毛剤には上記のような効果はないのでしょうか?私は、医学者でも研究者でもないので、客観的な立場で検証したわけではありません。が、広告で訴えているのですから、上記のような効果はそれぞれの育毛剤にはあるのだと思います。

「あなた」の薄毛を治す育毛剤の効果ではない

でも、それは「あなた」の薄毛が治る育毛剤の効果ではないのでしょう。広告で訴えている育毛剤の効果では、「あなた」の薄毛は治らないのです。

ただし、半年1年くらいの短期間では、「黒々してきた」とか「発毛してきた」等の育毛剤の効果はあるようです。が、そこから続かないばかりか、せっかく「黒々して」「発毛してきた」毛は全て抜けてしまう上に、もっと毛を無くしてしまっている場合が多いのです。

育毛剤の効果では毛は増えない?

と言うことは、育毛剤には広告等で訴えている効果はあるが、その効果だけでは「あなた」の毛は増えないと言うことなのです。育毛剤が効く=「あなた」の毛が増えるではないのですね。

育毛剤が効かない理由

  1. 薄毛の原因は一つや二つではなく、ほとんどの場合6個以上もあるからで、たった一つの育毛剤の効果で、6個以上の原因には対応することなんてできないからです。
  2. そして、薄毛の人の頭皮は、弱っていますから、育毛剤の効果が高ければ高いほど、強い負担を強いる結果になるので、高い効果があるほど副作用的な症状も強く出るからです。

短期間で良いのなら

「半年・1年だけ黒々してくれば良い」と言うなら、それはそれで育毛剤の効果で毛が増えたと言えるかもしれません。が、結果的に頭皮と体を痛めてしまって、毛の「生えない」「育たない」頭皮と体にしてしまっています。

薄毛で悩んでいる人が育毛剤に求めるのは

  • 毛を無くさないことと
  • 少しでも今以上に毛が増えること
  • できればフサフサに戻りたい

少なくても以上ではないのでしょうか?

にも関わらず、育毛剤の効果に頼ると毛の「生えない」「育たない」頭皮と体にしてしまうのは何故でしょうか?

机上の育毛剤の理論と動物実験だけで効果

それは、ほとんどの育毛剤は、机上の理論と動物実験だけで効果を訴えているからです。実際に薄毛の人の頭皮で試したものは、ほとんど無いからでは?と思います。

フィナステリドだって、開発のきっかけは前立腺肥大になるような年齢の男性ですよね。20歳代30歳代の男性ではないのです。それも、2年3年4年と治験したものが、どれほどあるのか?です。たぶんありません。

長期間育毛剤の効果が続くと増える

私は、相談者には私が良いと判断している製品を、お使い頂いていますが、2年3年4年と継続してお使い頂く場合が多いです。長い人なら10年以上お使い頂いています。結構高価なのに、長年お使い頂けるのは、少しずつでも、毛が増えてきているか、最低限、毛を無くさなくなってきているからです。

長年育毛剤を使っている人もいる

当然ですが、これらの人の中には、私がお奨めしている育毛剤を長年お使い頂いている人もいらっしゃいます。上述を読めば育毛剤は効いても薄毛は治らないのじゃないの?と思いますよね。

育毛法の中での育毛剤の役割

私が助言して指導していることと、育毛剤の効果で治そうとすること、何が違うのでしょう?私は、育毛剤の効果に頼る方法を採りませんし助言しません。

  1. ご相談者に必要な育毛法を考え、
  2. その中で、育毛剤としての役割を考えて

ケアをして頂いています。

全ては人により違う

だから、育毛剤を一切使わない場合もありますし、早い段階から育毛剤を使う場合もあり、どうするかは、人により全く違います。

まあ、私のところにいらっしゃる頃には、相当悪くしていて、何度も痛い目に会っている人がほとんどですから、頭皮の改善とそれに伴う毛の変化を感じているから継続期間が長いとも言えますね。

育毛剤の役割を考える

結論として、その人の育毛法の中で育毛剤の役割を考えて使うのが効果的です。薄毛を治す時育毛剤を使うのが基本にはなるが、役割を考えずに育毛剤の効果に頼ると失敗するのです。

以下のように考えると分かりやすいですね。

風邪薬に効果があっても、風邪薬が風邪を治すのではないのです。風邪を引いた時、風邪を治す方法の中で風邪薬の役割を考えれば、効果的に風邪を治せるのです。

まかり間違って風邪薬に頼っているとこじらせてしまい、後々で苦労します。育毛剤に頼る方法ではこじらせてしまうのです。

83号は平成19年(2007年)11月17日に配信したメールマガジンです。

【81号~90号】の他の記事