抜け毛を減らす、発毛させる、皮脂を取る対症療法
今号の問題提起!
抜け毛を減らす、発毛させる、皮脂を取る対症療法は頭皮と心身を疲弊させる。
誰でも、今すぐに何とかしたいものです。特に、今はビジュアルでの見た目が優先される時代ですからなおさらですね。
これは、髪のことだけでなく、ニキビにしてもそうだし、アトピー性皮膚炎でのかゆみでもそうです。
でも、人間の体は、【その時効果・今すぐ結果=対症療法】で本当に治るのかどうかです。治る時は【その時効果・今すぐ結果=対症療法】に「見えても」「感じても」治る為の段階を経ているものです。
薄毛やハゲは段階を経て治っていく
薄毛が治るには2つの段階があります
- 治る為の前段階の期間と
- 治っていく段階の期間があるもの
薬が病気を治すのではない
アトピー性皮膚炎を治すには、治っていく段階とその期間があります。ストロイド剤と上手く付き合って治した人はいても、ステロイド剤で治った人はいないはずです。
ステロイド剤で治そうとした人は、反対にステロイド依存症になって、苦労している人は多いかもしれません・・・。
誰でもかかる風邪にしても、治る為の段階とその期間があります。決して薬で治っているわけではないですよね。
薬依存・サプリメント依存・化粧品依存
「え???。風邪って薬で治っているのじゃないの?」と思った人は、薬依存症・サプリメント依存症・化粧品依存症になる素質を持っています。
風邪が治る経過を見てみる
では、風邪にかかり治るまでの経過を大まかに書いてみます。
- 体が疲れて免疫が弱って(まさか、いきなり免疫が弱まることはないでしょう)、風邪のウイルスに感染する(まさか、いきなり風邪のウイルスにかかることはないでしょう)
- 弱っているご自分の免疫の反応で熱が出る
- 薬の力で風邪の諸症状を抑える
- ゆっくり休んで体を温めて自分の免疫の力を高める
- 向上した免疫力でウイルスを退治できて
- 熱が下がり、風邪の諸症状が治まって
- 最後に風邪が治る
と言うように、風邪を治しているのはご自分の免疫の力で、尚且つ、治る為の段階とその日数を経ているわけです。薬は風邪の諸症状を抑えているだけのこと。
薬の作用の強さは体への負担の強さに比例する
ところが、経験のある人も多いかと思いますが、薬が強ければ強いほどウイルスには有効だが、正比例して体にも負担がかかり、所謂副作用と言う症状が出て体も参ってしまい、後遺症が残ることもありますよね。
ステロイド剤と同様、薬は強ければ強いほど毒にもなるので、上手く付き合う必要があるのです。
さてさて、風邪も薬を飲んだから、その時の薬の効果で風邪が治ったわけではないのが良く分かったと思います。
育毛剤の力だけでは薄毛は治らない
薄毛も同様で、抜け毛を減し発毛させる為に育毛剤の力が優れていても薄毛は治らないのです。
多くの人は、今の見えている症状だけで判断して治そうとします。見えている症状だけを見れば、【その時の効果=対症療法】で抜けが減って発毛してくりゃ治りそうに感じてしまいます。が、その見えている症状が何を表しているのか分からないと本当のことが見えてきません。
何故その症状が出ているのか?
風邪が治るのに、体の中でどういうことが起こっているのかが分かれば、熱があるから単純に熱を下げるのが良いのか悪いのかが分かります。
熱がある時には、素人判断は間違える元なので、必ず医師に相談して下さいね。
対症療法の事例
以下のような対症療法は、頭皮や毛細血管への負担が大きくなります。効果が望めても、負担が効果以上に大きくなるのでこじらせている人が多い。
- 生えていないように見えるから生やそう=頭皮が負けてしまう
- 抜け毛が多いから減らそう=抜け毛が減れば生え替わってくる毛が減っていく
- 男性だから男性ホルモンを抑制しよう=性ホルモンが支配している部分が弱っていく
- 血流が悪いから血管を広げよう=毛細血管が痛んで血流が悪くなる
- 血流が悪いから温と冷を繰り返して血流をよくしよう=炎症を起こすことに繋がる
- 等々
対症療法=【その時効果・今すぐ結果】では、良くならないだけでなく、ダメージを深くすることもあり、体を壊すこともあるのです。
風邪のように「○○ウイルス」と原因が決まっていれば、治療法や養生法に大きな違いが出ません。
でも、薄毛やハゲは、多くの原因が絡み合っているので、人により問題点が違うのでケア方法が違い良くなる経過も違ってきます。
対症療法的効果=抜け毛を減らす、発毛させる、皮脂を取る、血流を促す等々ではなく、ご自身の問題点を明らかにして改善する為のケア法を採るようにしましょう。
平成18年(2006年)6月30日51号