抜け毛を異常に気にしている
今号の問題提起!
毛は抜けるもの。抜け毛とは成長を終えた毛が抜けることなので、そんな毛を抜けないようにしても何の解決にもならない。
薄毛の相談を承っていますと、抜け毛を異常に気にしていらっしゃる人に良く出会います。多くの人は抜け毛を気にしています。
私も、抜け毛については色々とお聞きしますが、抜け毛を気にすると言うよりも「抜け毛の中身」を気にしています。何故なら、毛は抜けるものだからです。抜ける毛の本数を減らしても毛は増えないのですね。
あなたの信じている常識は、実は非常識かもしれません。内容を小冊子「非常識な育毛読本」に記載しています。
小冊子「非常識な育毛読本」へ
抜ける毛を減らしても何の解決にもならない
育毛剤のCMや育毛サロンのCMや広告、育毛系のメルマがやブログ、ホームページ等々、育毛に関する情報は山ほどあります。これらの中でよく出てくるうたい文句が以下のとおりです。
- 抜け毛の悩みを解消
- 抜け毛予防
- 抜け毛を減らす
- 気になる抜け毛に
- 抜け毛を減らして毛を増やす(こんなことできるのかな?)
毛が抜けないのは毛が無いのに等しい
とまあ、いやと言うほど抜け毛に関しての煽りがあります。まるで、抜け毛があることがおかしいようにも思ってしまいます。
相談を受けていても「どうして毛は抜けるのですか?」とか「抜け毛をゼロにして毛を生やしたいのです」とか言うご質問や希望が多いです。
私は、「毛は抜けるから抜けるのです。抜ける毛をゼロにしたければ、毛を無くすしかないですね。」
としかお答えが出来ません。
では、抜け毛とは何か?
毛は皮膚の角質層と同じ角化した角質の集まりです。死んだ組織の集まりが剥がれるのが抜け毛とも言い換えることもできます。
人間の皮膚は体の内側から外に向かって、一定の周期で生まれてきて角化して角質層になり、何日かして剥がれて落ちていきます。そうすることで、常に新しい細胞に生まれ変わっているわけです。
毛は皮膚が陥没してできたもの
実は、毛は皮膚が陥没して出来たものなので、皮膚と同じような生まれ替わりをしているのです。皮膚の生まれ変わりは、表面が一律に剥がれて約28日で生まれ変わっていきます。
でも、毛が皮膚と同じような生まれ替わり方をしていると大変なことです。約10万本あると言われている毛は、総量を維持する為には順番に生え替わっている必要がありますよね。
総本数を維持する為に必要なのが「抜け毛」
もし、毛の先々まで血が通っているなら、毛の表面が剥がれて生まれ変わっていくだろうと予測できるので、「抜け毛をゼロにして毛を増やすこと」が可能かもしれません。
でも残念ながら、毛は角化した死んだ組織の集まりなので、皮膚が剥がれるように毛も必ず抜けるものなのです。
毛質は良くできない
余談ですが、死んだ組織は表面を綺麗に見せることはできますが、ヘアケア製品のCMや宣伝で良く見る使用前後のように、見違えるように毛質を良くすることはできません。
できても限界があります。あくまでも毛質ではなく、毛の表面を良くなったように見せているだけです。
抜け毛は生まれ替わるサイクルに従う
もとい!
皮膚の場合の生まれ変わりは28日周期(見方により14日)ですが、毛の場合は、性差と個人差があります。
大まかですので絶対ではありませんが、
男性の場合は、3年前後
女性の場合は、5年前後
で1本の毛は抜けて生え変わると言われています。
抜け毛とは成長期を終えた毛のこと
1本の毛が成長期を終えれば嫌でも抜けますから、抜け毛とは成長期を終えた毛が抜けることなのです。
抜け毛とは「成長期を終えた毛」「これ以上成長しなくなった毛」が抜けること。何故抜けるのか?その毛の寿命がきたから抜けるのです。
抜け毛を減らしても毛は増えないのですから、毛を守り増やしたいのなら、生え替わりが正常化する必要があると言うこと。
ただ、例外的に寿命を全うできずに抜ける場合があります。次回は、「寿命を全うできずに抜けるのはどんな時」をお送りします。
ちなみに、毛には「発毛期→成長期→休止期→脱毛期」があるので、「あなた」本来の成長期に伸びれば抜け毛の本数は「あなた」本来のものに戻ります。
が、成長期を伸ばせるのは、今生えている毛ではなく、次に生え変わってくる毛からです。今生えている毛は「生きているわけではない」ので、成長期を伸ばせるには限界があるのです。
また抜け毛が減ると言っても、年平均して1日80本~120本くらいの抜け毛があるのが普通です。
こんなことを書くと、口コミによる伝言ゲームでは、単純に「毛の寿命を延ばせば抜け毛が減る」と言う単純な話だけが一人歩きをします。本当は「毛の寿命が延びると言っても永遠に伸びるのではなく性別で何年伸びるかほぼ決まっていて、かつ次世代・次々世代の毛からなんですが、・・・」。
52号は平成18年(2006年)7月16日に配信したメールマガジンです。