成分の効果効能に頼る方法では難しい
今号の問題提起!
アレルギーの多くは天然物で起き、保存料・防腐剤なしで製品は作れない。
化粧品やヘアケア製品・育毛製品だけでなく、健康食品の広告や売り文句を思い浮かべて下さい。絶対に訴えていないのは、その製品自体の効果効能です。
効果効能を訴えることのできるのは、日本では薬機法の制限があって医薬品として認められている製品しかできないからです。でも、使う側は製品の効果効能を求めます。
医薬品でさえ効果効能100%を保証できない
「私のところには、100%の効果を保証するのか?」と言うようなメールを頂きますから、製品に効果効能を求めている人が、どれほど多いのかが良く分ります。
(ちなみに弊社育毛相談WEB/サイトでは、製品の効果に頼る方法でなく、毛が本来の状態に成長する方法を考慮し、方法の為に必要な製品の開発と使用を行っています)
医薬品でさえ、100%の効果効能が認められている訳ではないのに!
と感じますが、今回はこの件について書くつもりではないのでここまでにしておきます。
効果効能を訴えても法律違反にならない方法
さて、効果効能を求める人が多いのが現実である以上、メーカーや売ることを考える側は、効果効能を訴えても法律違反にならない方法を考えることになります。
こんな時に良く採られる方法が成分の効果効能なのです。
成分の効果効能を訴える
「○○と言う成分には、こう言った効果効能があります。当社のこの製品には○○と言う成分を使っています。」と言うような間接的に効果効能があるような広告や告知・謳い文句を出してきます(これも薬機法違反の表現ですよ)。
決して、製品自体の効果効能を訴えていないところがミソなのです。
今は、このような表現すらも薬機法違反として摘発されていますので、ほとんどの企業はしていません(機能性表示というものもあります)。
効果効能の広告には誤魔化しが多い
どうでしょう?化粧品やヘアケア製品・育毛製品・健康食品等で、このような効果効能を訴えている広告や告知を見ませんか?
ほとんどの化粧品やヘアケア製品・育毛製品が成分の効果効能を訴えているので、どこか違いを出さないと、中小は大手に必ず負けてしまいます。
そこで、考え出されたのが「天然成分や自然の成分が良くて、合成物が悪い」と言う論理です。
効果効能から「無添加」「無香料」の誤魔化し
元々天然のものや自然のものと言うのは、必ず腐敗しますし、天然ものには自然の臭いや香りは付き物です。腐敗しない天然物・自然の物はありませんから、必ず何らかの保存料や防腐剤・殺菌剤は使っています。
また、無香料なら、必ず原料本来の臭いがするものです。
成分自体に殺菌作用があるから、保存料や防腐剤はいらないと言う製品もあるようですが、その成分が何がしかの自然のものから抽出されています。成分に殺菌作用があって製品が腐敗しないなら、抽出する元になっている自然のものは腐敗しないのでしょうか?非常に不思議な論理ですよね。
特に「無添加」を謳っている製品、「天然成分」を謳っている製品の広告や告知の内容の変遷を観察して下さい。
今でこそ、化粧品やヘアケア製品は全成分表記されていますが、この全成分表記が始まった頃までは、「無添加化粧品」の広告にはすごいものがありましたが、全成分表記が始まった途端に広告自体が消えてしまいました。
今でこそ少しずつ表記して、「無添加」とは何かと言う基準を併記していますが、本当の無添加ではないのですね(鉱物油や石油系の界面活性剤、旧厚生労働省指定の表示指定成分無添加と言うような表現になっています)。
天燃成分の方が危ない場合もある
「天然成分100%」と言うメーカーもありましたが、今は「天然成分にこだわっています」に変わってしまいました。
「天然成分や自然の成分が良くて、合成物が悪い」と言う論理は、その表現自体非常に矛盾した論理ですから、製品の優位性を訴える為、製品を売る為に考えた誤魔化しの論理に他ならないと言うことができます。
メーカーには製造物責任がある
製品を作るメーカーは、製品の品質に対して非常な責任を負わされています。腐敗しているようなことや半年やそこらで腐敗してしまう製品は作れないのです。
特に、使う側が製品をどのように保存するのかを予想できません。ヘアケア製品なんかは、お風呂場の高温多湿の劣悪な環境に置かれますし、化粧品にしても、夏場の暑い時期には40度を超える部屋で放置されるのが普通です。
予想できる最悪の環境でも腐敗しないように作らなければならないのがメーカーなのです。
こう言ったことを考えると、天然成分・自然の成分だけで製品を作るのが、どれほど危ないものなのか理解できると思います。
かぶれたりアレルギー症状を起こすのは天然成分
もう一つ。石油も天然成分ですから、石油から抽出すれば天然成分です。合成物にはかぶれないが、自然の成分にかぶれる人も多いという現実もあります。
今回書いた内容に対して、色々とご異論のある方も多いかと思います。が、「天然」「自然」と書くと優しいイメージがあっても、本当はそうではないのだと言うことをご理解頂ければと思います。
そう言った告知の製品を使っていて、頭皮に異常をきたしている人も多いですし、次回取り上げる「体までも危なく」している人も多いのです。自分に必要な製品選びは難しいですね。
22号は平成16年9月15日に配信したメールマガジンです。