77号:頭皮を信じてがんばれば元に戻る薄毛の女性の話

女性の薄毛は頭皮が本来の状態に改善すれば、毛が増える確率は向上します。効果を優先すると、その作用と刺激に頭皮が負けて育ってくる毛は軟毛化する。頭皮改善が優先課題。

頭皮の改善を信じると薄毛が治る女性

今号の問題提起!
女性の薄毛は頭皮を本来の状態に改善すれば、先々の毛が育つので毛が増える確率はかなり向上しますが、効果優先では作用と刺激に頭皮に負けてしまい育ってくる毛は軟毛化していく。

今号で紹介する女性が始めて相談にいらっしゃったのは、2006年の3月のことです。一目で薄い、地肌が丸見えでスケスケ、と見えるくらいに進行していました。

薄毛のキャリアは10年以上で、かつ深度も深かったです。生えてきている毛が、軟毛化しかけていましたから、回復するにしても相当年月がかかるのが分かります。このことは、最初にご本人に伝えておきました。

頭皮を痛め薄毛をこじらせている

育毛剤を半年程度使用したことがあるようでしたが(国産のミノキシジル製剤です)、そのことが頭皮をだめにして薄毛をこじらせてしまう原因にもなっていたようです。

こんな場合、非常に困ることがあります。このこともちゃんと理由付けをして、この女性には言っておきました。

頭皮が良くなると一時的に進行する

それは、「これだけ進行していて、育毛剤でこじらせているので、頭皮が良くなり始めると今よりも進行する可能性が非常に高い。が、たぶん7月8月くらいで見た目の悪さは底を打ち、その段階からゆっくりと増えてくるようになります。」と、

ご本人にはつらい時期にはなりますが、頭皮をこじらせて育っている毛は生き返らないのです。こじらせた毛は抜けて生まれ替わることで生き返っていきます。

このことも、理由を付けて説明をして納得頂きました。その上でケアを始められました。予測した7月8月になっても進行しなかったので、ご本人は幾分安心していたようです。

ところが、9月になって予測したとおりに進行して、ご本人は半泣き状態でした。

頭皮が良くなれば一旦底をうってから

でも、私にはここが底で、これ以上進行することはなく、ここから段々増えるようになるのが分かっていました。

だから、「心配は要りませんよ。今は見た目には厳しいけど、頭皮やその他のことは、私の言った通りになってきているのですから、ご自分の頭皮とその他の変わってきていることを信じて下さい。」と助言しておきました。

頭皮が良くなれば先々に良くなっていく

この女性のすごいところはここです。多くの女性(に限らず多くの人ですが)は、今の見た目が悪いと、先々も悪いと考えます。

同じように、今の見た目が大丈夫なら先々も大丈夫と考えます。

この先々を占うものが何なのかが分かっていないのに、見た目だけで判断するのです。だから、上手くいかないのです。

この女性は、見た目で判断せずに、ご自分の頭皮を信じたのですね。

頭皮改善からわずかだが良くなっている!

そして、翌年3月になりました。やっと1年です。

元に戻ったのではありません。やっと、相談にいらっしゃった時よりも幾分黒々を見える部位が広がり、薄い部位でも隠れるようになってきたのです。

でも、この状態を近くで撮った写真で見ても分かりません。ちょっと遠目で見る感じになるように、お写真を縮小してみると分かります。

頭皮改善で軟毛化し始めていた毛が硬毛に

要は、本数が増えるのはこれからだけど、軟毛化し始めていた毛が減って、比較的硬毛に近い毛が増えてきたことで、透けている部位でも隠れるところが出てきているのです。

ここまでくれば、あと1年がんばれば、見違えるようになってくるのが予測できます。

理由は、

  • もっと太い毛・しっかりした毛が増えてくること(確実に)
  • 本数が増えてくる可能性が高まっていること

この二つが言えるからです。だから、もうちょっとがんばれば元に戻るのです。

最初の頭皮改善の助言を忘れないで欲しい

ところが、女性と若い男性にはよくある話なんですが、私が、最初に助言したこと、すっぽり忘れてしまっているのです。

その為、拡大写真を見比べて、あまり変わっていないことに疑問を感じていたようです。

縮小写真では変わっているんですがね・・・。要は、同じ5センチの改善でも、10センチの中で見るのと、1メートルの中で見るのでは違うのです。10センチの中で見ると50%ですが、1メートルの中でみると5%ですからね。

薄毛のキャリアが長いと回復にも時間がかかる

1年で見違えるくらいに変わる人は、そうそういません。特に、この女性はキャリアも長く(10年以上)、軟毛化しかけていたのですから、普通でも短期間で戻ることは考えづらいです。

ミノキシジル製剤でこじらせているのですから、もっと時間がかかると考えるのが普通ですね。

77号は平成19年(2007年)8月25日に配信したメールマガジンです。

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