ミノキシジル系育毛剤で頭皮がボロボロになることがある
今号の問題提起!
ミノキシジル系育毛剤は効果が高いだけに、その分副作用も強く頭皮が痛みやすい。赤くなりフケが出て痒みも出て頭皮がボロボロになることもある。一番問題なのは、その後の毛の経過が悪いことと後遺症を取るのに難儀すること。
ご相談者の男性が初めて相談室にいらっしゃったのは、2007年の1月です。
「薄毛を何とかしたい」と言うのは、私のところにいらっしゃるのですから、普通のことです。
この男性が一番気にしていらっしゃったのことが、「洗髪後に皮がめくれるようなフケが大量に出る」とのことでした。私も、頭皮を後方から見て触りましたが、確かにフケは多そうでした。
最初は温浴ケアでミノキシジルの後遺症を診る
私の相談室では、
- 最初に色々お話を聞き
- 次にマイクロスコープで頭皮と髪を見て(これも写真として残します)
- 見た目の状態をお写真で撮影して(7枚くらいは撮ります)
- 頭皮の温浴ケアを行います。
ミノキシジル製剤は頭皮に異常を引き起こす
1)のところで気になったのは、
- 昨年6月くらいから国産ミノキシジル製剤を使った。
- 最初の2ヶ月3ヶ月は本当に黒々してきた。
- が、その後頭皮が無性にかゆくなって、生えていた毛も生えてきた毛も一気に抜けてしまった。
- そして、今見た目は透け透けで、以前よりも少なくなってしまった。
- 皮のようなフケがどうして出ているのか不安・知りたい。
2)のところでは、
- 確かに、本数自体が少なく非常に細い毛が目立ちました
3)のところでお写真を見てみると
- お写真を3倍程度に拡大して見てみると
- 生え際の上3センチくらいのところに、土気色したようなものが見えます。
- 少ない髪を掻き分けて見ると、3センチくらいの幅で長さ5センチくらいの範囲が、まるで、カサブタがへばり付いているようになっています。
- 皮がめくれるようなフケは、この表面が少しずつめくれているものでした。
ミノキシジル系育毛剤は効果と副作用と後遺症ともに高い
よくよく聞いてみると、カサブタのようになっている部位は、ミノキシジル系育毛剤を主に使っていた部位で黒々になってきた部位とほぼ一致するとのこと。(当然、全体には使っていました。あくまでも主にです。)
頭皮の温浴でミノキシジル製剤の後遺症が分かる
4)通常は温浴で頭皮や毛穴の残留を見ます。
- カサブタのようになっているものが、何なのかがはっきりしないので、ちょっと考えました。
- 水で洗って異常が出るとは思えないことから、温水で洗ってみることにしました。
- ただ、指の腹でこすることはしないで、単に温水を当てるだけにしました。
- すると、温水を当てることで、そのカサブタ状態のものが、めくれるように取れていくではありませんか?
ミノキシジルの作用や刺激で皮膚が角化している
これで、分かりました。ミノキシジルの強い作用や刺激により、皮膚表面が固く角化してしまっていたのです。
めくれるように取れたのは、厚さにしてほぼ2ミリ程度はあった角質の塊で、当然、その部位の毛で2ミリ以上に根を張れていないものはカサブタと一緒に抜けていきます。
ミノキシジルの後遺症は抜け毛が異常に多くなること
相当な量の抜け毛です。さすがに、このカサブタのようなものが取れしまうとフケは減りましたが、毛の量も相当減りました。
この男性への助言として、「ちゃんとしたケアを行うつもりがあるなら、以下の通りにして欲しい。」とお願いしました。
ミノキシジルの薬漬け状態から脱することが優先
- 最初の1ヶ月間は毎週来て下さい。
- 温水のみで洗って、頭皮と毛穴から薬抜きをしましょう。
- 育毛のケアを行うのは、それからです。
- 見て頂いたとおり頭皮は相当悪い
- だから、今生えている毛には育たない毛が多くなっているはず
- 育たない毛は嫌でも抜けるから、まだまだ見た目には進行する
- ちゃんとケアをして頂ければ
- たぶん、4月か5月くらいを境にして見た目には改善されていくはずです。
ちなみに、この男性が救われたのは、薄毛になる要因がほとんど見られないことです。
強いて言えば、頭皮が固めであることくらいで、家系的にも環境的にも体質的にも問題はありませんでした。だから、頭皮の環境さえ整えば、良くなっていくことは目に見えていました。4月か5月くらいを境にして見た目の改善が始めると予測できたのです。
ミノキシジル系育毛剤は頭皮をダメにする
私が知る限りでは、国産のミノシキジル製剤を使って、この男性と同じような頭皮にしてしまった男性をあと一人見たことがあります。
と言うことは、この2名以外にも頭皮をカサブタ状にしてしまった人が相当数いらっしゃるのでは?と推察できます。
海外のミノキシジル系育毛剤はもっと怖い?
今回は、国産のミノキシジル製剤ですが、輸入のミノキシジル製剤の場合は、もっと怖いと思って下さい。なんせ、濃度が5倍10倍ですから、この倍数以上に負担がかかると思えるからです。
女性用のミノキシジル製剤はもっと怖い
男性のミノキシジル製剤だけでなく、女性用のミノキシジル製剤も同様です。前回は、【もうちょっとがんばれば元に戻る女性の話】を書きましたが、この女性も女性用の国産ミノキシジル製剤をお使いになっていました。
メールでご相談下さる女性にも、女性用の国産ミノキシジル製剤を使っていらっしゃる人はいます。その方々の進行度は非常に危なく、このまま続ければ女性でも毛も無くすレベルにあります。
私のところでケアをしている女性にも、過去に国産のもの輸入のものを使っていらっしゃった人はいます。
いずれの人たちも、非常に悲惨な経過を辿ってから、段々と良くなってきていますが、今回ご紹介した男性と変わらぬくらい経過は悲惨です。
78号は平成19年(2007年)9月8日に配信したメールマガジンです。