答えしか聞かない人が多い。もう少し考えれば良いのに
今号の題提起!
ブランドや権威に弱い人は、ご自分で考えずに権威やブランドで判断する。
日本人は、ブランド物や権威に弱いですね。(かく言う私も日本人で外国の人がどうなのかは知りませんが・・・。)
- ブランド物だから大丈夫。
- TVCMや雑誌で有名だから大丈夫・間違いないだろう。
- 医師の言っていることだから大丈夫・信用できる。
- 薬剤師が言うのだから・・・・。
- 美容師だから・・・。
- 挙句の果てには、米国では・・・。
自分の目でみて、自分の耳で聞いて、自分の頭で考えて、その上で「良いもの」「このくらいの費用を出すだけの価値がある」と判断できれば良いのですが、自分で考え判断できない人が多いのです。
頭皮の毛穴は詰まらない
例えば、以下のような理論があります(現実には非常に多い)
- 皮脂、フケが毛穴に詰まる。最近は石鹸カスやシリコンが毛穴に詰まると言うところまである。
- 毛穴がどうして存在しているのか?
- 毛穴や皮膚の働きは何なのか?
- 皮脂はどうして分泌されるのか?
- フケとはどういうものなのか?
- 石鹸カスとはどういうものか?
- 毛穴が詰まればどうなるのか?
等を想像し、ちょっと考えれば毛穴が詰まることなんてないのがよく分かることなのに、本気でこんな話を信じている人が多いのです。
私も色々な人の頭皮を見ますが、毛穴が詰まっているような人の頭皮を未だかつて実際にみたことがありません。こう言ったことを美容師が平気が言うこともおかしな情報が広がる原因だったりします。
はっきり言っておきます。美容師は髪(角化している部分)のプロだが育毛の素人です。
角栓だって毛穴には出来ますが、これが詰まることもありません。普通は押し出されてきます。頭皮の毛穴は顔の毛穴の2倍か3倍程度大きいので、ニキビのようになる前に押し出されるものなのです。
- 皮脂が悪い。薄毛やハゲの人は頭皮がギトギトだから。
- 皮脂にはどう言う働きがあるのか?
- どうして皮脂が分泌されるのか?
- どうして皮脂の分泌が増えるのか?
- どのような場合に皮脂の分泌が増えるのか?
薄毛やハゲの人の頭はギトギトの場合が多いです。が、どうしてギトギトになっているのか分からないと、その人がハゲている原因はわかりません。だって、皮脂の分泌はあるものだから。
皮脂の分泌がないと人間は生きていけません。これらが分かれば、「皮脂が悪い」と言っているところの情報の怪しさ加減がよく分かります。
頭皮のテカリも同様です。髪の多い人でも髪をカミソリで剃ってしまえば誰でも頭皮がテカっているものです。テカッているのが普通なのです。
- 毛包ダニが問題だ。
毛包ダニがいるのかどうか、調べようがないので私は知りません。でも毛包ダニが存在しているとするなら、現代人だけに存在しているのでしょうか?
戦前なんてノミやダニが日本人の体や頭にいっぱいあったのです。だから、戦後「DDT」を米軍にかけられたじゃないですか?
今の人と戦前の人を比べた時、特に戦前戦中の人にハゲや薄毛が多いなんて聞いたこともないし、事実もないのですからこう言った理論はあまり気にしない方が良いでしょうね。
どちらかと言うと、清潔にし過ぎることで毛包ダニの繁殖しやすい環境を作っていることの方が問題だったりします。
よく考えてみるとおかしな理論や情報・話はいくらでもありますよね。あ、当然ですが私の言っていることやホームページに書いていることもよ~く考えて下さいね。
答えだけを回答することはとても困難
先日も「答えだけを教えて欲しい」お電話がありました。
「抜け毛が増えて薄くなったのだが、どうすれば良い?」と言うすごく簡単なご質問のお電話でしたが、私には答えることができませんでした。このお電話は相談じゃなくて、答えが欲しい訳ですね。
熱が出ている時はどう診断する?
例えば、「熱が出ているけど、どうすれば良い?」と答えが欲しくて医師に質問します。医師は、すぐに「では、○○して下さい」なんて答えを言うでしょうか?普通は言わないですよね。
「診察してみないと分からないので、病院に行って診てもらって下さい」と答えるか、色々質問をしてから、
「たぶん○○だと思うので、○○と言う薬を○○して飲んで下さい。そして、○○に注意して○○と言う症状が出た時や、おかしいなと感じれば、すぐに病院に行って診てもらって下さいね。」と答えるはずです。
抜け毛の増加だけでも色々なことが予測できる
「熱が出ている」と言っても色々なことが予想できるのと同じように、「薄くなった」と言っても色々なことが予測できるのです。その予測によっては、使う製品が違っていたり、ケア法が違ってきます。だから、私は答えられなかったのです。
お電話下さった方は、
「こちらから色々質問しますので30分40分くらいお時間よろしいですか?」とお答えすると
「そんなにかかるの?それじゃ、近くの薬局の薬剤師に聞くよ」とおっしゃって電話を切りました。
薬剤師は薬品の専門家・医師は病気の専門家
たぶん、近くの薬局で薬剤師に聞くと、お店に置いている製品の中から適当なシャンプーやら育毛剤を進められるだけでしょうね。薬剤師なら知っているはずだから「答えを教えてくれる」と思っているのです。
薬剤師は成分のことを知っていますが、育毛は知りません。本当は、ここが大事なのですが、日本人は権威(薬剤師や医師)に弱いので信じてしまうのです。
医師だから大丈夫と言うのは幻想
現実には、医師の行う育毛の治療で体を壊した方がいます。医師の行う治療で育毛サロンと同程度くらいの費用を請求され、治らないばかりか、頭皮をダメにしてしまった人もいます。
私には、「自分で考えることをせずに、答えしか求めなったことによる悲劇」としか思えて仕方がありません。知識をそのまま詰め込むのではなく(その知識が間違っていると元も子もありません)、考える技術を向上させましょう。
品質を見る目がないからブランドを信用する悲劇
ちなみに、ブランド製品を並行輸入している友人に聞いた話を一つ。
日本人は製品の良し悪しよりもブランド名でお金を出す。だから、銀の宝飾品なんかはタイで作らして、最後に仕上げとブランドのマーク付けをイタリアやフランスでつける。
すると、イタリア製とかフランス製と言ってもウソでないので、原価1,000円くらいのものが5万とか10万で売れるんだよ。タイ製となるとせいぜい5,000円~10,000円くらいでしか売れないけど、ちょっと手間をかけると大化けするんだ。
まあ、タイの人の方が手先も器用なので、欧米の人が作るよりも出来は良いので問題ない、と言えば問題ないけどね。欧米人ならいくらブランド名が付いていても、物を見てお金を出すが、日本人はものの良し悪しでなく、ブランドを見てお金を出すんだね。
ここに付け込んで、あくどい商売している奴らもいるから気を付けた方が良いよ。と。
広告のキャッチコピーにも怪しいものが・・・
「インディアンが・・」「カリスマ美容師が・・」「20年間毎年3万本売れている製品が・・」等々、色々な枕詞のついた製品が出回っています。
これらも、よ~く考えてみると「あれ、どうもこの話おかしいな」と感じる場合があります。よ~く考えてみよう!!
32号は平成17年(2005年)9月22日